広報誌「C.C.C」

(被災地)福島南相馬市の現地の声 ~ CCC学びの友より (17回生)

    朴  貞  蓮  (原町教会牧師)


    私は今年4月より福島県南相馬市にあります日本キリスト教団原町教会に赴任しました。

    3月11日の大震災に続き東京電力福島第一原子力発電所の事故によって当初の予定より遅れて4月21日に着任しました。教会と保育園には地震と津波による人的被害はありませんでした。通常ならいち早く復旧・復興となっていたはずの町が原発の事故により3月15日屋内退避、4月22日緊急時避難準備区域と指定され人々は避難を余儀なくされました。特に妊婦・乳幼児・障がい者・入院患者・要介護者は立ち入らないようにと指示がありました。現実は国の指示通りには行かず、町を離れられない人たち、避難先から戻って来ざるを得なかった人たちがいました。土地への愛着といった感傷的な理由ではありません。小さい子ども、支援の必要な人、認知症の高齢者、大手術を受けて間もない人が避難所で暮らすのはあまりにも過酷なものであるためでした。

    この状況に飛び込んだ自分の無力さに打ちのめされ、度重なる余震と原発事故の深刻さに冷静ではいられませんでした。短い間でしたが、CCCで学んだことを必死に思い起こし自分自身を責めないように心かけました。それでも体は正直でいろんな症状が起きました。わたしが落ち込んでいたり、不安がっていてはならないと無理していたからでした。一ヶ月経たない内に自分の限界を感じ、助けを求めることにしました。卒業生でもないのに図々しいと思って躊躇っていましたが、CCCの先生方にお願いをしました。早速、事務局から吉岡光人先生を派遣してくださり、礼拝の説教と先生を囲んでの懇談をとおして大いに励まされました。今も先は不透明のままですが、多くの方々のお祈りとお支えを力にして歩み続けていきたいと思います。

     

     

    関連記事