講演会「向き合う、寄り添う、支える」講師:吉岡光人 を終えて

2019年2月9日(土)23区でも積雪5CMの予報にもかかわらず、悪天候の中100名近くの方が参加して下さいました!

 

講演会の概要をまとめましたので参考になさってください。

「向き合う、寄り添う、支える」

 [概要]           講師:吉岡 光人

Ⅰ.「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」(詩篇133-1)

「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」(詩篇133-1)を基に人間にとっての「幸せ」について考えてみたときに、「幸福度」と「満足度」が必ずしも一致しないことに気づく。物質的満足を追い求める現代日本社会の幸福度は先進国の中で最下位というデータもある。例えば米国では、定年を迎え地域のコミュニティでの関わりを取り戻した70歳以上の高齢者の幸福度は子どもと同じレベルまで高くなる。それに対して、日本の高齢者の幸福度は低いままである。この違いは「他者とのつながりを持つ」に関係があると思われる。「一人でいること」と「他者といること」、そのどちらかを選ぶのではなく、「共に生きること」を考えたい。自立性のないところに協調性はなく、その逆もまた然りである。

Ⅱ.「善きサマリア人のたとえ」をモデルにして~「援助」のプロセスを3段階にわけて考えてみる~

①事態を把握し、今必要なこと、できることを正確に判断するために近づく

②助けを必要とする人と同じ方向に共に歩く

③自分のできることをした後は、他者に託すこと、物の援助、など間接的な援助で支えることを考える

Ⅲ.「共感性を高める」

最初は”誰か”の痛みとして(3人称)→近づいて共に歩くときに”あなた”の痛みとして(2人称)→さらに近づくと”私”の痛みとして(1人称)痛みを共有することができる。個人で誰かを引き受けることに限界がある。自分ができることと他者に委ねることを見分ける判断が求められる。そのために、自分の役割と限界を知ることが必要だ。