CCC理事長・相談所長 大塩 光から ホームページをご覧の皆さまへ

みなさま

 主の平和

  キリスト教では本来この時期、イースターの喜びを分かち合っている頃でした。しかし新型コロナウイルス感染拡大防止対策で、各地の教会も無会衆の礼拝をライヴ配信、牧師だけでの礼拝、教会自体の閉鎖などを実施しています。世の中全体が不安に満ちた新年度となっているなかで、皆様の健康と安全が守られていることを願います。

 

CCCでは研修生や相談者の方々、そしてカウンセラーの安全を守るために、2月末から少しずつ活動を縮小してきました。当初は突然の休止措置に戸惑われた方も多かったと思います。担当スタッフ達も混乱しながら、いつまでこの対策を続けるのかという不安と共にありました。そのため事務的事項の発信がメインとなり、みなさまへのメッセージが遅れてしまったことをお詫び申し上げます。

この間、皆で状況を見てきましたが、事態は短期間では終息しないと判断し、暫定的ではありますが8月末まで研修や相談などリスクを伴う活動は全て休止しました。そして関わる全ての人たちの安全確保が難しいと判断される場合は、さらに対策期間を延長する方針です。心の安全を守ることがCCCの働きですので、関わる人たち全員の心と体の安全が確保できるまで、今しばらくの時が必要です。

 

震災や台風など多くの自然災害を経験している私たちは、メディアの情報に右往左往し不安を募らせてしまう経験も数多くしています。不安は人の心をコントロールし、人間関係の悪化や自身のメンタルの不具合をもたらします。まず不安を煽るものから離れることが大切です。新型コロナウイルスから距離を置く環境作りは大前提ですが、そのほか情報などは信頼のおける番組一つに絞るとか、インターネットの検索数を減らすだけでも落ち着く環境は作れます。心の不安が体の状態を悪くすることもあります。この機会に体を休めながら、一生懸命になりすぎない努力をしてみることも良いと思います。医療現場の崩壊を防ぐための第一歩は、自分が医療にかからなくても良い状態にしておくことです。

 また人には、不安から逃れるために楽観的で勝手な予測を立てて安心しようという作用が働きます。反動形成という状態ですが、今回ばかりは決して楽観視しないことを願いたいと思います。対策が長引くと自分は大丈夫という気の緩みが起こり、それまでの努力が無駄になってしまいます。

 

またこんな事態になると、人間の弱さが暴露されていきます。CCCはそんな方々をサポートするために歩んできたのに、今はその働きができていないので皆悔しい思いをしています。しかし援助者が自分の安全を守れなければ、対人援助はできないという原則を心に刻んでいます。皆さんの大きな協力によって、CCCとしては今やれる対策は講じることができました。最新情報はホームページでお知らせしていきます。

 

感染者数は増加と減少を繰り返しながら、この事態は間違いなく長い戦いになると思います。しかし必ずおさまる時が来ます。皆で情報共有しながら最善の道筋を作り出しましょう。この時間は私たちにとって意味のある日々だったと言える時が必ず来ます。それぞれが抱える不安や怒りが少しでもおさまり、心と身体の平安と安全が守られますようにお祈りいたしております。

 2020年4月15日 

                             CCC理事長・相談所長  大塩 光